つくしんぼう

　　　　　　　　　　　　　　　 つくしんぼう

　春の到来を首を長くして待ち望んで居るのは人丈では在りません、冬は寒くて、冷たくて、辛く、寒がりの飼猫が矢鱈に人の狭い足の上にも載りたがるのも無理は有りません。　春に成ると、植物らしからぬ、茸にも似た不可思議な物が土の中から頭を出します、つくしんぼうで在る。つくし（土筆）は杉菜の胞子嚢穂です、袴部分を取て料理すれば食べられますが、胞子嚢部分は少し苦いです。杉菜は御茶替わりに飲む人も居ます。
又、春に成ると、富山湾では不可思議な蜃気楼が現れるそうな。夢や幻覚は人に依って見える物が違うが、蜃気楼は多くの人を見誤まらせるので不可思議の限りです。虹や蜃気楼は其の内消え去り、実害は殆ど無い様にも思えますが、昔の船頭の苦労が偲ばれます。
　多くの人はマスコミの報じる事が全て正しいと信じきって居ます、幾つかの新聞を読み比べても、其れ程の差が無いのも又事実です。若し、マスコミが蜃気楼の如くに意図的にまやかしの報道をしたとしたら、歴史が示す様に、其の罪は測り知れ無い。マスコミが報じて居る事が本当に正しい事なのか良く考えて観る必要も在ります。マスコミはアメリカのした事を単に事実として報道し、被害を受けた民衆の声を其の儘大きく報道して置き乍マスコミ自体はアメリカを一切批判をしません。ＮＨＫの子供ニュースでは世界の動きも特に優しく解説して居ますが、アメリカが悪いとも言えず、解説者の苦労が偲ばれます。　戦後アメリカに押し付けられた日本国憲法下で日本は６０年間も一度も戦争をしませんでしたが、日本に憲法を押し付けた当のアメリカが其の間に関与した、紛争や戦争は数え切れ無い。日本国憲法がアメリカの憲法より優れて居る事は真実の様です。併し、其の日本国憲法を改訂しようと言う目論見が有ります。勿論改訂の中には改悪も含まれて居ます　日本人は辛抱強い国民です、真綿で少し宛首を締め付ける様な、国民負担を増やし続ける今の政治にも余り批判しません。自分には直接損が及ば無いと思って居ます。其れよりも五十五歳に成って給料が下がる様な事に憮然とします。政治家は選挙の時は、国民の為に全力をつくしますと口癖の様に連呼しますが、暫く経つと可笑しな事を言い出します。郵政の民営化、消費税率ＵＰ、憲法改悪、年金改悪、税制改悪、教育基本法改訂、自衛隊の海外派兵、三位一体改革、・・・・・。日本の政局に春は何時訪れるのでしょうか。
世界平和の為に全力をつくしますと言い続けて居るブッシュ大統領ですが。イラクには未だに平和は訪れて居ません。侵略した国が、侵略された国を裁く、前代未聞の戦争裁判の行く末を見定めましょう。大量破壊兵器を大量に持って居る国が、大量破壊兵器を隠し持って居るかもしれない国を、国連の議決も待たずに、侵略戦争を始めてしまい、大量破壊兵器が未だに見つかって居無い以上、戦争を始めた正当性が未だ証明されて居ません。何を持って其の戦争裁判自体の正当性を証明すると言うのだろうか。フセイン大統領に、どの法律で私を裁こうとして居るのか、其れは私の署名の入った法律かと聞かれて、何んと答えたのだろうか。其の後の戦争裁判の経過結果が何故か余り報道されて居ません。
寡って世界の優等生で在ったアメリカ。世界の多くの国が目指したアメリカは、一体何処へ行ってしまったんでしょうか。アメリカの言い成りの日本は国際社会からは、好戦国と誤解されてしまって居ます、日本国民の多くは平和主義者なのに。
　人は政治の事より自分の事が大事な様です。３５年以上も会社につくしながら、或日を境に給料が下げられる事に納得の往か無い人も多い、仕事量が８０％なら納得も出来ましょうがのう、そうは成って居無いのも又現実です。こんなに会社につくしながら評価も上がら無い事にも憮然とする人も居ます。評価を上げようと目論んで会社につくすのがさもしいのなら、仕事自体を楽しめば良い様にも思えて来ますが。
　日本は国際社会から見れば、豊かな国と見なされて居ますが、当の日本人は豊かさを感じては居ません。電車の中でも幸せそうな人は余り見かけません、仕事に疲れはてて居ます。陽気なラテン系の人とは対照的です、日常生活の中に歌や踊りが在る事自体日本人には理解で出来ません。寡って外国の地下鉄の電車の中で突然ギターを弾いて歌い出した人が居たのには呆れ返りましたが、後でお金を集めに廻ったのにも驚きました。お金を出す人が居るのにも驚きました。一駅の間で商売をして居たのでした。退職後急に老け込ま無い為にも、日頃から色んな事に挑戦して置きましょう。つくし料理等も其の一つですよ。　長年夫の為につくし続け乍、感謝されて居ないと嘆く妻も多い。人への愛とはつくした事の見返りを期待するべき物では有りません。つくし続けれは屹度何時かには思いが通じる筈ず。寒い冷たい辛い冬を耐え抜いて、やっと春に頭を出すつくしんぼうの如くに。